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食品の事業戦略を発表 独自技術の「低温製法」を軸とした商品ラインアップ拡充

当社は、日本のお米の消費拡大を図るため、「低温製法」を軸としたお米のラインアップを拡充します。さらに、食の安心、安全への関心が高まる中、切餅の生産拠点であるアイリスフーズ岩手工場の生産設備を全面リニューアルし、徹底的な品質管理下での生産を実現しました。

当社は2013年より、被災地の営農指導とTPPを契機とするお米の市場拡大を目的として、精米事業に参入しました。いつでも手軽に精米したてのおいしさを味わえるように、玄米の保管から精米、包装まで全ての工程を15℃以下で行う独自の「低温製法」を開発しました。さらに、脱酸素剤と窒素を封入した高気密パックに3合ずつ小分けにし、業界で初めて1年間という長期の賞味期限を実現した「アイリスの生鮮米」で、日本のお米の消費拡大に努めてきました。

従来、消費者が米を選ぶ基準は銘柄、産地に重点が置かれてきました。当社は「食品メーカー」としての専門的な技術力を活かし、「簡単、便利、おいしい」といった付加価値を加え、精米方法や包装形態といった新たな基準で、お米を商品として選ぶ文化を醸成していきます。

【「低温製法」を軸とした商品ラインアップの拡充】

少子高齢化に伴い、日本は単身世帯や核家族が増え続けており、1〜2人世帯が総世帯数の60%を占めています。また、一回の食事でのお米の摂取量の減少や、パンに代表される米食以外の主食の台頭などが進んでいます。

このように多様化する食事のスタイルに対応するため、当社は独自技術の「低温製法」を軸に商品ラインアップを拡充し、5月末から第一弾として、パックご飯を発売します。低温製法で精米したお米を原料に使用することで「おいしさ」という付加価値を提供し、価格重視の傾向が強いパックご飯の市場に新たな需要を創造していきます。さらに6月には低温製法で精米したもち米を原料とした切餅を発売する予定です。

「低温製法」を軸に、「お米」「パックご飯」「切餅」の3つのカテゴリーで商品を取り揃え、食品メーカーとしてのアイリスブランドの確立と認知の拡大を図っていきます。

【アイリスフーズ岩手工場リニューアル】

食の安心、安全に消費者の関心が高まる中、アイリスフーズ岩手工場の切餅生産設備を最新機器に一新しました。さらに、HACCP※1に準じた高度な品質管理を行うため、原料の受け入れから商品に至るまでの各工程での事故発生を未然に防ぎ、製造記録を行うためのシステムを構築しました。また、フードディフェンス※2についても対策を行い、意図的に食品への危害が加えられることを防ぎます。

さらに、「低温製法」で精米したもち米を使用することで「おいしさ」での差別化も行います。お米に加えて、切餅においても当社の技術力を活かして、高い付加価値を持った商品を販売することで市場の活性化を図り、日本のお米の消費拡大につなげていきます。

※HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(Hazard)を分析し、それを最も効率よく管理できる部分(CCP;必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法。食品加工工場の国際基準として世界的に広く用いられている。

※フードディフェンス(食品防御)とは、悪意ある第三者からの意図的な食品汚染を防ぐ取組み。HACCPが偶発的なミスを防ぐ管理手法であるのに対し、フードディフェンスは意図的な攻撃に対しての対策となるため、予測、予防が難しいと言われている。

参考資料 2015.04.22(pdfファイル:586KB)

(更新日:2015/4/22)